【善衆会病院 地域医療連携室長 舘野晃一郎】
2016年度の診療報酬改定では、目玉となる新設項目が少なかった印象もありますが、その中でも退院支援加算は大きく見直された項目の一つです。今回は退院支援部門と病棟における患者へのアプローチを中心に、当院の取り組みを紹介します。
■数年前から全病棟へのMSW配置を進め、加算取得につながる
善衆会病院は前橋市にある一般病床(看護配置7対1)156床、地域包括ケア病床42床、計198床のDPC準備病院です。地域医療連携室は、退院支援および地域連携部門であり、看護師2人、MSW6人、事務1人で業務に当たっています。
退院支援加算1を取得する上で、まずポイントになるのは人員の確保です。施設基準では、退院支援部門の専従スタッフ(看護師または社会福祉士)のほかに、各病棟にも専任スタッフの配置が必要です。当院では、数年前から全病棟(4単位)に1人ずつMSWを配置するのを目標に採用活動を進めてきました。当院は今年5月に新築移転し、病棟を1単位追加しましたが、5病棟すべてにMSWを配置できました。198床でMSW6人は若干多めと思うかもしれませんが、今回の改定で人員基準が評価され、今までの取り組みが間違っていなかったことが確認できました。
■対象者抽出後にケアマネジャーに速やかに来院してもらう関係づくりを
2つ目は他施設との連携です。転院または退院体制等について協議を行う20以上の連携する事業者等と年3回以上の頻度で面会することが求められていますが、連携先で特にキーになるのは居宅ケアマネジャーではないでしょうか。それは、介護支援連携指導料の算定回数が要件に盛り込まれたことからも読み取れます。しかも同指導料の点数も上がっています。
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