【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
前回、DPCⅢ群病院の場合には、救急医療係数と機能評価係数Ⅱの相関係数が0.55と正の相関を示していることを指摘した。つまり、救急医療係数が高い病院は、機能評価係数Ⅱ合計が高くなる傾向があり、特に救急医療に注力するⅢ群病院は当該係数で適切な評価を受けることが重要になる。
なお、救急医療係数については、連載第12回で実態に応じた適切な評価を受けるポイントを整理している。その中で重篤な緊急入院患者については、救急医療入院(救急医療管理加算等を算定する入院)として処理することを提案した。ただし、救急医療入院については地域差があることも指摘し、比較的査定されにくい地域とそうではない地域の例を挙げた。
本稿では、救急医療入院の判断に影響を及ぼす事象について検証し、地域差の実態が救急医療係数に強い影響を及ぼしていることを明らかにする。その上で、今後の救急医療係数のあり方を考えたい。
グラフ1 病床規模別緊急入院患者に占める救急医療入院の割合 (クリックで拡大)
平成27年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会資料を基に作成(以下の資料も同様)
次回配信は7月4日5:00を予定しています。
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