【医療法人社団悠翔会理事長 佐々木淳】
■チーム内業務分担による診療品質の向上
在宅医療では、チーム内での業務分担が、診療の品質向上と効率化を両立する上で重要になる。
在宅医療(訪問診療)は医師の仕事であるが、診療に付随する業務(たとえば往診車の運転、書類作成やカルテ入力の支援、バイタル測定など)は医師以外でも可能だ。付随業務を多職種で分担することで、医師がより診療に専念できる。また、多職種が医師の診療業務をアシストすれば、診療の付加価値も高まる。
医療法人社団悠翔会では、医師の訪問診療に看護師が同行する。看護師はバイタルサインの測定や採血・注射などの処置だけでなく、看護師という専門職の視点から医師の診療をアシストする。そして、診療アシスタントが、診療の準備や患者宅への診療時間の調整、訪問診療車の運転を行う。診療件数の多いルートでは、診療アシスタントが電子カルテの入力や書類作成も支援する。
当会では各クリニックにMSWを配置している。MSWは対人援助職としての一般的なソーシャルワークに加え、訪問診療のインテーク(最初の面談・相談)、入退院の支援、多職種との調整業務などを担当する。医師の初診時には、一通りの情報とカルテが準備され、定常処方薬も調べてある。MSWによる診療準備を通じて、初診をスムーズに始められる。
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