【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
1 Ⅱ群病院の本質を探る
2012年度診療報酬改定で基礎係数が評価されてから、Ⅱ群病院は当初の90病院から16年度には140病院にまで増加した。大学病院本院に準じた診療密度と一定の機能を有する病院として認められ、かつ高い基礎係数が付与されることは大きなインセンティブとなり、多くの地域中核急性期病院はⅡ群を目指してきた。
そもそも基礎係数は、研修医が多いために結果として診療密度が高くなり、非効率的な医療を提供している病院を救済するのが目的なのだろうか。あるいは、質が高く高機能な医療を行っている病院を選別するために、パフォーマンスに対する成果を評価したものなのだろうか。Ⅱ群病院の顔ぶれを見ると、私は両方の意味が混在していると感じるが、その本質的な意味は明らかにされていない。
本稿ではⅡ群とⅢ群のアウトカムを検証し、Ⅱ群の実態に迫っていく。
次回配信は5月9日12:00を予定しています
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