【国際医療福祉大学大学院 医療経営管理分野 石川雅俊】
■医療計画策定手法の方向性
地域医療構想や医療計画の策定手法の方向性として、地域や疾病単位で、罹患率、入院経路、医療機能ごとの資源投入量、患者の流出入を把握し、ベストプラクティス(あるべき診療プロセス)をベンチマークとして、必要医療資源を試算する方法が開発されるのではないか=図=。
政府の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」では、都道府県ごとの医療費目標の算定式の検討が始まっている。骨太方針では、2015年度中に算定式を示すとともに、地域医療構想の策定や外来診療の適正化等を通じて、都道府県別の1人当たり医療費の差を半減させることを目指すとしていた。医療費適正化基本方針については15年度中に策定し、算定式については今年夏ごろをめどに基本方針の一部改正を行い、反映する予定だ。
このように、医療計画と医療費をリンクさせる政策が、今後進められていく点に留意する必要がある。
図 地域医療構想の方向性
■着実に進む患者の減少
昨年くらいから「患者不足」という言葉をよく耳にするようになった。病床の稼働率が軒並み低下しているというのだ。本稿では、進行する「患者不足」を検証してみたい。
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