日本遠隔医療学会はこのほど、「スプリングカンファレンス2016」を東京都内で開催し、地域包括ケアを考えるシンポジウムを行った。
東日本大震災の被災地の仮設住宅などで続けられている見守り支援について報告された。ICTを通じた高齢者の状況把握と地域での見回り活動を組み合わせることで、認知症がある程度進んでしまっても、在宅で暮らし続ける方法がありそうだ。【大戸豊】
岩手県立大社会福祉学部の小川晃子教授は、東日本大震災の被災地で続けてきた見守り支援の取り組みを紹介した。
小川教授は、独居高齢者などが問題なく過ごしていることを自分から連絡する「おげんき発信」を2003年から進め、ICTを使った仕組みを順次追加してきた。
岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)の仮設住宅では、おげんき発信に加え、生活行動を感知するセンサーの情報、血圧・心拍などの測定情報を、ネットワークを通じて鵜住居地区のサポートセンターに集約している。また、仮設住宅団地支援連絡員がタブレットPCを持って仮設住宅などを回り、高齢者の姿を目にして、安否確認情報を入力すれば、サポートセンターに情報が行く仕組みになっている。
釜石市鵜住居地区における見守り体制
小川晃子教授資料より
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