【長野市民病院企画財務課長 渡辺敏明】
■「一歩進んだポジティブリスト型」経営を目指す
今回の改革では、まず中期ビジョンをつくり、5年後、10年後に自分の病院はどうあるべきかを明確に打ち出した。「患者、地域、職員から選ばれる『信州のマグネットホスピタル』を目指す」というものだ。さらに、強みとする分野を徹底的に伸ばし、重症患者の受け入れを増やすことも目標に掲げている。こうした戦略は、地域における急性期病院としての評価を確固たるものにするという視点に立ち、高度急性期・急性期機能を伸ばせるだけ伸ばすというものである。これは「一歩進んだポジティブリスト型」であり、「救急」と「がん」において、地域医療機関との機能分化、差別化を一層進めることを狙いとしている。
強みを伸ばす意味では、内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」や、「ラルス」(遠隔操作密封小線源治療)といった高度医療機器を導入し、前立腺がんのすべての治療法を可能にした。13年4月に導入した「ダ・ヴィンチ」は、現在では週に3例から4例、前立腺がんの手術に使われている。
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