【長野市民病院企画財務課長 渡辺敏明】
長野市民病院(400床)は、長野市の北部地域に1995年6月に開院し、昨年、開院20周年を迎えた。長野県は南北に広く、医療計画では南信、中信、東信および北信の4ブロックに分けられており、長野市が位置する北信ブロックは、長野医療圏と北信医療圏の2つの二次医療圏で構成されている。北信ブロックの医療圏人口は63万人で、300床以上の基幹病院が当院を含めて8つあり、それぞれの病院が特色を発揮しながら切磋琢磨(せっさたくま)している。
当院は、開設当時から市の直営ではなく、財団法人が病院を運営する公設民営型を採用している。施設や医療機器の整備等を除き、人材確保を含めた業務運営が機動的にできるという特長を生かし、開院以来、地域の付託に応えてきたが、10年を経過したころから徐々に組織としての活力が低下し、気が付けば停滞期に入っていた。
創業期の情熱は薄れ、外来は紹介状のない患者であふれ返り、しばしば手術の予定時間が遅れた。また、救急告示病院であるにもかかわらず、頻繁に救急車を断ることがあり、断り率は10%台半ばとなっていた。職員は毎日の診療に手一杯であり、地域の他の医療機関との競争の中で埋没する不安を抱えていた。
次回配信は3月3日5:00を予定しています。
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