【鈴鹿医療科学大学薬学部病態・治療学分野臨床薬理学研究室教授 大井一弥(日本老年薬学会理事・事務局長)】
厚生労働省の2014年患者調査(厚生労働統計協会)で、65歳以上の1日当たりの外来患者が14年は351万200人と推計され、前回調査(11年)から約18万人増えている。
また65歳以上の国民医療費(13年度)は、総額の57.7%となっている。さらに厚労省研究班の調査では、65歳以上の高齢者では認知症患者が462万人と推計され、予備軍も400万人とされている(12年)。
■薬剤師は高齢者の副作用に予防策を
薬剤師は、高齢者が要介護状態へ移行する可能性が高まる脳血管疾患、関節疾患を有する患者への対策はもちろん、そもそも処方薬の服用ができない、もしくは多剤併用がもたらす不都合な状況に迅速に対応していく必要がある。高齢者は、病気を併発することも多く、処方数も増えていくが、薬剤師は認知機能の低下や肝・腎機能の低下がもたらす副作用の発現に対して予防策を講じるべきだろう。
今年1月、一般社団法人日本老年薬学会(代表理事・東大大学院医学系研究科、秋下雅弘教授)が設立された。高齢者に対する適切な薬物治療の実践に向けて、医師と薬剤師、薬学研究者が共同で研究し、高齢者医療を支援することを目的としている。
次回配信は2月19日5:00を予定しています
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