【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授　井上貴裕】

　前回は内保連の特定内科疾患※がⅡ群の実績要件に加えられた場合の影響について取り上げ、特定内科診療が採用されても、現状の顔ぶれが大きく変わるわけではないことに言及した。本稿では、医療機関群ごとの診療機能を、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会で公表されたデータを用いて明らかにしつつ、高齢化の進展により、転換点を迎えつつある高機能急性期病院のこれからについて考えたい。
※内科系学会社会保険連合（内保連）がまとめた「特定内科診療」は、DPCII群の実績要件3（高度な医療技術）に追加する方向で検討が進んでいる。10月27日の診療報酬調査専門組織の「DPC評価分科会」で評価する内科系技術がほぼ固まった。

1　医療機関群別の診療機能

　＝表とグラフ＝は、医療機関群ごとの診療実績であり、ここから医療機関群により患者構成に大きな違いがあることが一目瞭然である。

平成27年度　第7回　診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を基に作成


次回配信は、2016年1月4日5：00を予定しています

（残り2787字 / 全3255字）