2016年度診療報酬改定を目前に控えた先月末、中央社会保険医療協議会の委員が5人同時に交代した。日本医師会(日医)の鈴木邦彦常任理事の後任である松原謙二・日医副会長は、7対1入院基本料(7対1)が創設された06年度改定に中医協委員として携わった経験を持つ。
16年度改定に向けては、7対1の要件をこれ以上厳しくすべきではないとして、現場の判断によって無理なく届け出病床数が適正化されるように、病棟群単位での届け出を認めるといった施策を講じるべきだと指摘する。また、在宅医療を提供する診療所の院長としての経験を生かし、高齢化に対応できる現実的な仕組みを構築していきたいと意気込んでいる。【聞き手・構成=佐藤貴彦】
国の財政を考えると、大変厳しい改定になる可能性がある。しかし、病院にも診療所にもしわ寄せが行かないように、気を引き締めて、全体を見ながら判断していきたい。
特に、7対1の要件厳格化が大きなテーマになっているが、財政的な観点のみでその議論をするのは非常に危険だ。要件を厳しくするのは、もう限度ではないかと思っている。これ以上の厳格化は、現場の混乱を引き起こし、患者さんにとって望ましくないことになる懸念がある。
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