介護最大手ニチイ学館は、2016年3月期の中間連結決算を発表した。介護部門の売上高は前年同期比1.7%減の717億6900万円、営業利益は同50.1%減の33億3300万円となった。4月の介護報酬改定がマイナス改定となったことや、人材確保が計画通りに進まなかったことなどが影響した。【ただ正芳】
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ニチイ学館の介護部門では、介護報酬改定に伴い、各サービスの基本報酬が大幅に低下。基本報酬減を補うための加算取得も計画通り進まなかった。さらに雇用環境の改善に伴い、新たな人材確保も計画通り進まなかったため、サービス提供の拡大が困難となり、中間決算では減収・減益となった。 こうした状況を受け、ニチイ学館では介護部門の2016年3月期の通期業績予想を下方修正した。具体的には売上は期初予想から70億円引き下げて1444億円、営業利益も同様に49億5000万円下方の70億円とした。 ■経営効率化へ、訪問入浴の拠点統合や配食サービス廃止など実施へ 今後、ニチイ学館では、配食サービスを来年3月までに廃止するほか、訪問入浴サービスの一部の拠点の統合を進めるなどして経営の効率化を図る。また、▽医療関連部門と連携し、中重度者の利用者の獲得▽特定施設におけるショートステイの利用促進▽各種加算の取得-を進める。人材確保については、2四半期連続で増加している介護職員初任者研修の受講生の募集をさらに強化すると同時に、離職者の復職などの施策も強化する方針だ。 ■医療関連部門は増収・減益、全社では営業損失を記録 医療関連部門の売上高は543億9800万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は37億9400万円(同2.4%減)だった。全社では売上高は1365億7500万円(同0.4%増)と、過去最高額を更新したものの、介護部門の業績悪化などが影響し、4億7300万円の営業損失を記録した。
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