【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
地域医療支援病院は地域医療の中核となる急性期病院を評価したものであり、1997年の第三次医療法改正で機能分化を推進するために設置された。
原則として200床以上であり、紹介や救急患者を中心とした医療提供を行い、高額医療機器の共同利用を進めたり、地域の医療従事者への教育機能を果たす必要がある。
このような機能は診療報酬でも評価されている。地域医療支援病院入院診療加算は、入院初日に1000点、DPC/PDPSにおける機能評価係数Ⅰでは0.0266と設定され、500床規模の病院では当該加算だけで約1億円程度の重みがある。
承認を受けるためには、=表1=にある紹介率・逆紹介率のハードルをクリアする必要がある。制度創設当初は「二次医療圏に1つ以上」という目標にはほど遠かったものの、現在では500以上の病院が承認され、過剰な地域も存在するようだ。=グラフ=の二次医療圏別の地域医療支援病院数を見ると、同一医療圏に10を超える地域医療支援病院が存在するケースもある。
次回配信は9月28日5:00を予定しています
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