【国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院顧問 松岡博】
病院の機能分化と病院経営について考える上で、「社会保障・税一体改革大綱について」(12年2月17日閣議決定)で示された医療の提供体制の内容を確認したい。
医療サービス提供体制については、「急性期をはじめとする医療機能の強化、病院・病床機能の役割分担・連携の推進、在宅医療の充実等を内容とする医療サービス提供体制の制度改革に取り組む」とされている。
今後の見直しの方向性として、病院・病床機能の分化・強化が挙げられ、「急性期病床の位置付けを明確化し、医療資源の集中投入による機能強化を図るなど、病院・病床の機能分化・強化を推進する」「病診連携、医療・介護連携等により必要なサービスを確保しつつ、一般病棟における長期入院の適正化を推進する」の2点が示された。
また、在宅医療の推進も示され、「在宅医療の拠点となる医療機関の趣旨及び役割を明確化するとともに、在宅医療について、達成すべき目標、医療連携体制等を医療計画に記載すべきことを明確化するなどにより、在宅医療を充実させる」としている。
今回は、急性期病床の位置付けの明確化と病院・病床の機能分化・強化の推進が、12年度と14年度の診療報酬改定でどのように進められたのか、それに対してどのように病院経営を変えていけばいいのかを見ていく。
12年度の診療報酬改定基本方針について、厚生労働省が説明した資料は=図1=の通りである。
図1 2012年度診療報酬改定の基本方針のポイント
厚生労働省保険局医療課、平成24年度診療報酬改定の概要より
次回配信は7月31日5:00を予定しています
(残り2717字 / 全3473字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】