【医療法人杏山会 吉川記念病院院長 吉川順】
第1回では、認知症対策の国家戦略「新オレンジプラン」において、認知症高齢者が住み慣れた地域で暮らすため、2015年度から「認知症初期集中支援チーム」を設置することが全市町村に求められたことを、第2回では、まだモデル事業だった13年度に山形県西置賜郡白鷹町で当院が中心となって行った認知症初期集中支援チームの活動について述べた。最終回の今回は、認知症初期集中支援チームの活動を通して見えてきたさまざまな問題点について述べる。
白鷹町は山形県の南部に位置し、周囲を朝日・飯豊・吾妻の各連峰に囲まれた人口約1万5000人の町である。65歳以上高齢者が人口の32%を占めており、そのうち約6割は75歳以上の後期高齢者という高齢化が著しい農村地域である。
(残り1939字 / 全2301字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】