【相談支援センターこすもす所長・りべるたす株式会社代表取締役 伊藤佳世子】
先日、肺がん末期を告知された80代の男性の看取りにかかわりました。訪問診療に同行した際、医師が「あなたはどのくらい生きたいですか?」と、その方に尋ねました。すると、その男性は「もう十分生きました」とおっしゃいました。治療方法を説明しても、「治療は要りません。私は痛くないし、苦しくありません。病院には行きません」とおっしゃられ、治療を拒否されました。医師はご家族にも状況をよく説明されていましたが、ご家族も本人の意思を尊重したいという意向で、そのまま在宅での暮らしは続きました。余命は2か月くらいということでした。
周囲でかかわる者としては、「これでよかったのか」などの振り返りや考察を忘れてはいけませんが、このケースのように、ご本人がはっきりと意思表示をしていて、ご家族も同意していた場合は、あまりジレンマを感じることはありません。
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次回の記事配信は、6月4日5:00を予定しています
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