【千葉大学医学部附属病院 病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
1.診療密度と複雑性の相違点
DPCⅡ群の実績要件には診療密度と複雑性指数があるが、両者は混同されることが多い。“重症患者に対する診療の実施”を行えば両者は高くなるはずという総論的考えからすれば大きく違わないともいえるが、評価されているポイントは異なっている。
診療密度は1日当たり包括範囲出来高平均点数であり、包括範囲で実施した医療行為を出来高換算して求める=図=。ポイントは本連載でもすでに指摘したように2つある。1つ目は“1日当たり”であり、医療資源投入量が同じでも、在院日数を短くすることで密度を高められる。つまり、在院日数を短縮した集中治療が求められている。もう1つは実施した医療行為を適切にオーダリングに反映しているかが鍵を握っている(第6回「 Ⅱ群要件を満たすための機能の高度化とは 」を参照)。
重症患者が多く、研修医が多数在籍する病院ほど診療密度は高くなるはずだという考えは一般論としては間違ってはいない。
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