【相談支援センターこすもす所長・りべるたす株式会社代表取締役 伊藤佳世子】
私は、筋疾患の難病の方のために重度訪問介護事業所を立ち上げたという経緯もあって、相談支援専門員として、いわゆる難病で重度な障害を持つ方々からの相談をよく受けます。疾患としては、筋ジストロフィーやALS(筋萎縮性側索硬化症)の方が主で、そうした方々の生活をコーディネートするには医療との連携が必須となります。
例えば、人工呼吸器を装着しているALSの方の場合、「身体を動かすことができない」という困り事には車いすを利用したり、移乗や体位変換を人にお願いしたりするなどの手段で解決を図ります。コミュニケーションの障害には、文字盤や口文字の利用、意思伝達装置を使えるようにすることを介護職など福祉現場の支援者と一緒に考えて、生活の手段として検討していきます。また、食事を取ることが難しくなった場合や呼吸がしにくくなるような場合は、例えば経管栄養療法を取り入れたり、人工呼吸器の装着を行ったりするなど、医療で解決していくことになります。
このように、難病で重度の障害がある方には、「医療」と「福祉」の両方のコーディネートが必要になります。
次回の記事配信は、5月21日5:00を予定しています
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