【医療法人杏山会 吉川記念病院院長 吉川順】
認知症対策のため、政府は今年1月、新たな国家戦略「新オレンジプラン」を発表した。プランには、認知症高齢者が住み慣れた地域で暮らすための取り組みが盛り込まれているが、その一つが「認知症初期集中支援チーム」である。政府は2018年度までにすべての市町村にチームを設置するとしている。
山形県の南部に位置する西置賜地区は、長井市・白鷹町・飯豊町・小国町の1市3町から成り、盆地を中心に周囲を飯豊・朝日・吾妻の各連峰に囲まれた、農業を主産業とする地域である。人口は約6万人。65歳以上の高齢者は人口の30%を超え、75歳以上の高齢者は20%前後に達している。過疎や限界集落を抱えた典型的な農村型高齢化社会である。連載では、この「高齢化先進地域」における認知症初期集中支援チームの取り組みについて、具体例を交えて報告する。
次回配信は5月8日5:00を予定しています
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