【医業経営コンサルタント協会会員、調剤薬局研究会 鈴木聡】
しかし、認知症や寝たきり患者の在宅支援であれば、町の薬局でも努力次第で参入は可能なはずだ。在宅支援は今の診療報酬制度では採算が合わないとの意見も強くあるが、時代の変化に備えることを怠ってはならない。「処方箋+α」の薬局経営を図るべきだ。そのためには薬剤師のマインドを変え、新たな視点での医薬分業を開始する必要がある。
■薬局によって価格差が生まれる状況にどのように対応するか
「あら?前回と同じ内容なのに、今日はお値段がちょっと高くなっているわね?」
「はい、在宅患者さんの訪問実績が評価されましたので、薬局の基本料が15点上がりました」。
患者さんは解せない表情も見せたが、それ以上の話には発展しなかった。
病院の処方箋を持ってきた患者さんに料金について尋ねられると、私はこれまで全国どの薬局においても料金は同じであると患者さんには説明してきた。しかし、最近の診療報酬の改定を見ていると、そうとも言えなくなってきた。今後は在宅支援の実施状況やジェネリック薬の採用率等の違いによって、薬局間の価格差、ひいてはサービスに関する格差が拡大する懸念もある。このように価格差が生まれるような状況において、薬局経営はどのような取り組みをすべきなのか。
次回配信は5月12日5:00を予定しています
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