【株式会社ファレッジ代表取締役 深井良祐】
薬はそれぞれ服用するタイミングが決められている。最も多いのは「食後」だ。食事をした後に薬を飲むという、最も分かりやすいタイミングである。ただ、中には「食間」に服用するように指示されている薬がある。食間とは、食事をしている最中に服用するという意味ではない。食事と食事の間が食間である。つまり、胃の中が空になった状態で薬を飲むのが食間であり、食事をして約2時間経過した後を指す。
このように、食後以外での服用が指示されている場合は多々ある。食前や食直前、起床後などがこれに該当する。
しかしながら、このような特殊なタイミングでは薬を飲むことをうっかり忘れてしまうことが多い。そのため、「面倒なので食後に服用してはいけないのか?」という疑問が生まれる。そこで、なぜこのように服用するタイミングが決められているのかについて解説していく。
薬で食後の指示が多いのは、前述のような「服用忘れを防ぐ」という目的がある。食事をして落ち着いた後、薬を飲むという分かりやすいタイミングを設定することで確実に服用できるようにするのだ。
食後に飲む薬を食前や食間で服用しても問題ないケースは多い。服用忘れを防ぐ意味での食後であるため、薬が効きすぎたり効果がなくなったりなどの悪影響が表れにくいからだ。薬局で薬を渡す時であっても、「初回だけ、帰ってすぐに服用してください」と指導することは多い。
ただ、解熱鎮痛剤は胃を荒らす副作用があるため、このような薬は胃への負担を軽減するために食後服用を勧める必要がある。頭痛のために鎮痛剤を服用したにもかかわらず、今度は薬の副作用で胃が痛み出したということはよくある。胃が空の状態では、薬が胃に直接作用するので胃潰瘍などの障害を引き起こしやすくなるのだ。
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