【秋田厚生医療センター救急・総合診療部兼脳神経外科 秋田県総合診療・家庭医研修センター 桑原直行】
当院では、地域の中核病院として、急性期から在宅までを意識しながら診療する総合医の育成を進めるほか、退院後の生活を見据えた退院支援ラウンドや「在宅療養支援外来カフェ」といった新しい試みを始めている。
当院では、各病棟に退院支援を進めるリンクナースを配置し、早期からの退院支援を行っている。しかしそれでも患者さんの思いに寄り添うことができず、支援がうまくいかないこともある。そこで退院支援看護師、MSW、ST、栄養士、総合診療部の医師、そして院外の往診医、訪問看護師も加わって、地域に軸足を置くチームを結成した。現在では月に1回、退院困難な症例の検討を行い、チームで病棟回診をしている。病棟ナースや主治医と情報交換をしながら、患者さんやご家族の思いに添った退院を進めるためには何をすれば良いのかを一緒に考え、支援している。この退院支援回診によって、病棟と患者さん・家族は地域の医療・介護従事者とつながり、短期間であっても自宅へ帰れるきっかけとなっている。
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