【岡山県保健福祉部医療推進課主任 松本吉生】
これまでお伝えしてきた通り、岡山県内で運用されている医療情報ネットワーク「晴れやかネット」は「全県規模のネットワークである」ことが最大の特徴ですが、その広がりは、これからの地域包括ケアシステムを支える多職種に及んでいます。
■「安全でタイムリーで双方向」の情報共有
「晴れやかネット」は、システムの構築期間や予算などの制約もあって、まずは「医療機関で電子カルテを共有する」という基本機能からスタートし、その後、医療・介護の質の向上に必要な機能を順次、拡張していくことを基本方針としていました。
そこで、運用から1年余りがすぎた14年春以降、「晴れやかネット」の参加施設や各地区医師会から、拡張すべき機能について提案を募ったところ、その多くは「医療と介護を結ぶ情報基盤」に関するものでした。
県内の各地域では、医療・介護の多職種が連携するために、患者情報を記載した連携シート・連携パスが開発されています。しかし、セキュリティーの点から、メール送信やインターネット上のファイル共有などで情報をやり取りすることができず、紙ベースの資料やCDを渡すという形だったため、内容の更新方法やリアルタイムの情報共有に課題が生じていました。これがネックとなり、「連携パスを開発しても普及が伸び悩んでいる」という声も聞かれていました。
次回配信は2月26日5:00を予定しています
(残り2159字 / 全2923字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】