【株式会社川原経営総合センター 病院コンサルティング部 生田宗嗣】
今の時代、多くの医療法人が病院や介護施設など、複数の施設を有しています。ただ、それぞれの設立時期やサービス内容が異なるため、サービス品質や職員能力に不均衡が生じてしまいがちです。これをどう均一化させていくか-。今回は、「チェーンストア」という企業統治手法を取り入れて改善を図った法人の事例です。
私がこの医療法人に最初にかかわったのは2011年でした。開業時から一貫して高齢者医療を理念とし、その当時で200床(一般100床、療養100床)の病院を中心に、介護老人保健施設、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、各種在宅介護サービス事業所など10施設以上を有していました。現在はもう少し増えているでしょう。事業拡大という点では、順調過ぎるほどの経営を進めていました。
ただ、開業者であり理事長でもあるオーナー医師が高齢のため承継時期が迫っており、後継者が非医師だったことから、次世代の経営に関して求心力の低下が懸念されていたのです。
法人を一代で大きく広げたのはいいが、カリスマ的な経営者のリタイア後、組織がばらばらになってしまわないか。かといって後継者にカリスマを期待するのは難しい。ならば、属人的ではないマネジメント・システムで法人の一体感を高められないか-。
チェーンストア方式の企業統治体制を目指した背景には、こんな事情がありました。
次回配信は2月24日15:00を予定しています
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