【岡山県保健福祉部医療推進課主任 松本吉生】
岡山県内で運用されている医療情報ネットワーク「晴れやかネット」の特徴は、何といっても参加施設の多さ、参加率の高さだと思います。前回、2014年12月末現在で、114病院、219診療所、99薬局、4介護老人保健施設の合計436施設が晴れやかネットに参加していると紹介しました。病院の参加率は、県内167病院の約68%に上っています。とりわけ、全体の約30%に当たる50病院が「情報を開示する側」として参加しており、これは全国で構築されている地域医療ネットワークの中でも有数の規模ではないかと思います。また、診療所の参加率についても約14%で、これも全国的にみて高いと言えるのではないでしょうか。
13年1月の運用開始から短期間のうちに拡大できたのは、県内に大きな既存のネットワークがなかったことや、地域医療連携に対する全国的な気運の高まりも追い風となりましたが、特に、「情報を開示する病院」の参加を多く得られたのは、開示する情報の内容を病院側でそれぞれ選べるようにしたことが大きかったと思います。患者の基本属性やカルテ情報、処方などのオーダー情報、各種の検査結果など、33項目の中から公開範囲を自ら設定できる仕組みが、情報開示への負担や抵抗感を軽減し、多くの病院に「とりあえず参加してみよう」と思ってもらえたのではないでしょうか。まずは医療ネットワークへの参加に関心を持ってもらうことが大事だと思います。
次回配信は2月12日5:00を予定しています
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