【株式会社船井総合研究所 経営コンサルタント 萩原光朗】
日本は、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行しています。2025年以降の超高齢社会に向けて地域包括ケアシステムの実現が掲げられ、行政と医師会、歯科医師会、薬剤師会等の各種団体を中心に各地域でさまざまな取り組みが進められています。
調剤薬局も、この地域包括ケアシステムの実現にどのようにかかわっていけるのか、行政などに実績を持って説明していかなければいけません。
地域包括ケアシステムとは、重い要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステムのことです。団塊の世代が75歳以上となる25年をめどに構築が進んでいますが、保険者である市町村や都道府県が中心となり、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていくことが必要です。
図1は、5つの構成要素(住まい・医療・介護・予防・生活支援)を図示したものです。あくまでも土台は「住まい」と「生活支援・福祉サービス」であって、「医療・看護」「介護・リハビリテーション」「保健・予防」は、QOLを高めるために効果的な役目を果たすものと考えられます。
では、このシステムを構築する上で、調剤薬局はどのようにかかわっていくことができるのか?
▽専門的な「医療」「介護」「予防」のサービスを提供すること
▽「住まい」「生活支援」の生活基盤を間接的にバックアップすること
の2つの視点で考えてください。
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