【東京ふれあい医療生協梶原診療所ソーシャルワーカー 小山宰】
前回、東京ふれあい医療生協の法人設立40周年を機に、ワークショップを開催し、地域住民(組合員)が最期まで地域で生活し続けるための「介護系施設や住まい」を望んでいることを知り、法人の課題として取り組むことになった経緯をご紹介しました。
内閣府の調査によれば、「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか」と尋ねたところ、55歳以上の人は半数以上が「自宅で最期を迎えたい」と回答しています。ワークショップで確認できた地域の人々の思いは、多くの地域でも共通すると思います。
今回は、梶原診療所における住まい・地域づくりに関する取り組みを紹介します。
地域で生活し続けるための「介護系施設や住まい」とは何かについてさらに議論を深めようと、2011年度に「すまいプロジェクト」を立ち上げました。地域住民(組合員)と職員の計20人弱で構成されたプロジェクトチームでは、まずは具体的にどのような施設・住まいが地域に必要なのかを議論しました。立ち上げの前年に議論した際も、「空き家を活用する」「国民年金の人でも入居可能にする」といった意見が出ました。さらに、各地の施設や住まいの見学を重ねた結果、宮崎県のNPOが運営するホームホスピス「かあさんの家」が一つのモデルとして浮上しました。
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