【医療法人おひさま会 理事長 山口高秀】
このシリーズで私は今まで「ITは便利と思えなければ意味がない」と繰り返してきました。ITが目的になってはいけなくて、あくまで使って便利なものでなければ意味のないこと、そして、小さく始めて大きく育てられるシステムを目指していくこと、医療分野のみならず、他の業界のITについても目を配っていくことの大切さをお話ししました。
このことを念頭に、ITという技術が対象とする情報そのものに今回は目を向けたいと思います。在宅医療の中でやりとりされるさまざまな種類の情報について、その粘着性という観点から考えるとともに、ITを用いてどのように扱っていくのがよいのかについてお話しします。
■粘着性の高い情報はどう伝える?
情報についてその性質を表現するときに、「粘着性」という表現を使うことがあります。簡単に説明するならば、情報には、それを移転するときにかかるコストというものが存在し、そのコストが高いものを粘着性が高い情報といい、低いものを粘着性が低い情報とするのです。
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