今年度の診療報酬改定でDPC/PDPSの機能評価係数に後発医薬品指数が新設され、後発医薬品調剤体制加算の見直しがなされるなど、国の施策として後発医薬品を推進していく考えがより一層明確に打ち出された。シリーズ「後発品の使用、改定でどこまで進む?」では、3回にわたって、後発医薬品の使用促進の現状や取り組みを紹介する。
2014年度の診療報酬改定が後発医薬品の使用に与えた影響を見ていこう。
まず保険薬局における「後発医薬品調剤体制加算」 =図1= の影響から見ていく。この加算の要件となる施設基準の後発医薬品調剤目標数値のハードルが引き上げられたことが後発医薬品の使用を大きく牽引した。後発医薬品の専業メーカーが今年発表した決算によると、日医工は薬局販路が22.9%増と大きく伸びた。同様に沢井製薬は26.7%増、東和薬品も約30%増という。
ただ、新算定要件の後発医薬品の調剤目標はなかなか大変だ。1つは目標値のハードルが国の後発医薬品の目標値60%に合わせて高くなったこと、もう1つには新しい目標値算定式では分母が「長期収載品+後発医薬品」となったことがある。そのため、後発医薬品が追補収載されるたびに分母が増えて、後発医薬品への置き換えを絶えず行っていないと目標値をキープすることができなくなった。つまり、ちょっと油断して長期収載品を使い続けると目標値があっという間に下落してしまう。
こうした事情から、今や調剤薬局も積極的に後発医薬品の置き換え努力をして、加算維持やアップに取り組むようになった。しかし、現実は厳しいようだ。置き換えに積極的な薬局がある一方、もはや新算定基準のクリアはあきらめて、従来通り長期収載品に依存する経営で行こうとしている薬局もあり、薬局は後発医薬品の対応で二極分化しているようだ。
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