【医療法人おひさま会 理事長 山口高秀】
前回、「ITは手段であって目的ではない」と表現しました。そして、必ずしも高度なITにこだわる必要はないことも強調させていただきました。今回は、わたしたちのおひさまネットワークを例にしながら、在宅医療でITツールを徐々に導入していくコツについて書きたいと思います。
これだけ発達してきたIT技術。患者さんに提供する医療の質が向上するならば、そして、便利になるならば、利用するに越したことはありません。しかし、難解だとか、セキュリティーがとか、そもそも得意じゃないからとか、いろいろと取り組みづらい側面があるのも確かです。では、どうするのか? 何度も強調していますが、ITは手段であって目的ではないのです。皆さんのそれぞれの目的を達成する上でITが便利でもなく、医療の質も向上しないならば、導入しないことが正解なのです。自信をもって「ITは導入しない」と言えばよいのです。
ただ大切なのは、ITを利用するという選択肢を完全に封じないことです。選択肢は多く持っていたいもの。常に「もしITを使ったら便利になるのか?」という思考は持つようにし、「あ! いいかも!」と感じたものを導入していけばよいのです。
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