【宗和メディカルオフィス代表 原田宗記】
複数の投資に失敗した院長個人の借金で資金繰りが悪化した診療所の経営を立て直すため、銀行の担当者と土地・建物の売却先を探していると、銀行を通じて賃貸業経営会社から購入の手が挙がった。クリニックの現状に理解を示しているという。そこで、話をまとめようとしていたところ、院長の知人を通じて医療法人の経営にも興味を示す一般企業の社長からも手が挙がった。院長の同郷らしく、半分は助けてあげようと思う気持ち、半分は投資目的。
予想外の展開だったが、総合的に考えるとこのようなよい話はそうないと思われた。その上、同郷で知人の紹介ともなれば、院長もそう簡単には裏切ることができない。院長の更生が期待できる機会ととらえることもできた。院長も「わたしはまだ運がある」と笑顔で話していた。再度、院長の周辺状況を説明し、お互いに利用価値があることを確認。土地・建物および営業権譲渡および賃貸契約が成立した。銀行を含めた事業に関する借入金は全額返済。これでやり直しができる環境が整った。そして、次のステップとして、差し押さえされないよう医療法人設立申請の準備に入った。
次回の記事配信は、11月14日5:00を予定しています
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