【宗和メディカルオフィス代表 原田宗記】
診療所の承継は年々増加傾向にある。引退、病気、急逝、経営不振など、その理由はさまざま。急逝や病気の場合は承継者が見つからなければ閉院となる。引退も視野に入れての承継は譲渡金額に折り合いが付かず成立しないケースもある。譲渡する方は少しでも高く、買う方は少しでも安くしたい。金額の交渉が度重なるようであればお互い不信になって、なかなか成立しない。
承継の情報は、以前は医療機器商社や会計事務所などが中心だったが、今ではM&A専門業者、金融機関、保険会社や人材紹介会社など、いろんな方面から持ち込まれるようになった。中には診療所を閉院した医療法人格のみの売買の話も持ち込まれることがある。
つい先日金融機関から、テナントの内科診療所で月の診療報酬が1000万円を超える案件の紹介があった。M&A会社の手数料が2500万円、総額で8000万円近い費用。銀行が全面的に融資するという話でも即答で「NO」。診療所も投資目的に利用される時代に入ったと驚かされた。
開業をサポートした先生から、前病院で同僚だった40歳の内科医を紹介された。アルバイトをした内科診療所の院長から承継の打診があったという。駅から徒歩7-8分、開業して20年の診療所。ご子息は医師であるが、ほかの駅で開業している。「(承継の)金額はどの程度が妥当か」という相談。
次回の記事配信は、10月7日5:00を予定しています
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