「相性がよければ互いに成長し合える関係に、半面、悪ければ互いにつらい思いをしてしまう、明暗分かれる仕組み」-。卒後3年目前後の若手ナースがマンツーマンで新人ナースを指導するプリセプター制度について、多くの看護師が口々にそう話す。うまくいかない場合の最大のネックは一対一の閉塞感。最悪のケースでは離職につながることもあるほどだ。そこで、教える側も教えられる側も孤独にさせない、そんな思いから、不安を解消させる体制を整える病院が少しずつ増えている。【坂本朝子、烏美紀子】
「きっかけは、2004年に附属の養成学校が積極的に大卒者を受け入れることが決まったこと」-。
3年後には、新人ナースより年上のナースが入職してくる。すると、教える側と教えられる側の年齢が逆転する。そんな事態を見越して体制整備が必要だったと、国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区、694床)の渡津千代子看護部長(副院長兼務)は当時の状況を説明する。
実際にふたを開けてみると、養成学校の定員120人のうち半数以上を大卒者や社会人経験者が占め、想定よりも幅広い年齢層の新人ナースを迎えることとなった。そして07年、卒業生を受け入れるタイミングで、プリセプター制度から、チームみんなで支える「屋根瓦方式」へと変更した。
(残り2507字 / 全3065字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】