【株式会社メディサイト代表取締役 松村眞吾】
今回は、いわゆる“施設系在宅の大幅減点”について考えてみたい。議論展開上、前2回と重なる部分もあるが、ご容赦いただきたい。
ご承知のように、施設系在宅(同一建物複数人)の評価が4分の1という水準まで引き下げられ、在宅医療関係者に大きな衝撃が走った。患者紹介料のやり取りなど、“不適切事例”を受けた荒療治という一面もあったが、「在宅の『はしご外し』が始まった」と各方面で批判や戸惑いが広がり、一部では在宅撤退の動きも見られたというわけだ。
ただ、中央社会保険医療協議会では、診療側委員がこれに抵抗した形跡もなく、地域医師会の反応も総じて落ち着いたものであった。古くから在宅に取り組んでいる医療機関なども、施設系へのサービス提供の割合が相対的に低いこともあって、大きな影響があるとはとらえなかったようである。施設系在宅は利益率が高かったという事実もある。「世間の目」は決して、施設系在宅の関係者に同情的ではなかった。多くの在宅専門医療機関も、これまで以上に工夫しながらサービスを継続しようという点に落ち着いたのではないか。
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