【日本男性看護師会発起人 坪田康佑(医療振興会「どこでもクリニック」経営担当理事)】
前回は、男性看護師の雇用に関して、コスト面から考えたメリット・デメリットを整理しました。今回は次のステップとして、「採用した男性看護師の配置」をテーマに取り上げたいと思います。男性看護師はどのような境遇に置かれることが多いのか、男性看護師の存在は、女性看護師の多い職場にどのような影響を与えるのかを紹介させていただきます。
男性看護師にとって、一番の課題は「マイノリティー」であるということです。
男性看護師は、看護学生時代も同じような男女割合で過ごしてきたので、マイノリティーな環境に対しては抗体ができていると思われがちですが、実は学生時代の「マイノリティー」は、その位置付けが異なります。
看護学生は、看護学校にとってお客様です。中には厳しい看護学校もありますが、ほとんどの学校では、今まで男子学生が少なかったために、新しいロッカーや設備など素敵なハードが提供され、看護教員からも、今まであまり対応したことがなかったタイプの学生ということで比較的、手厚く指導を受け、マイノリティーではありますが、優しい環境にいます。
ところが就職すると、学生時代よりも、さらに男性の割合が少なく、覚悟していた以上のマイノリティーな現実に直面します。しかも、医療機関のお客様は患者さんなので、看護学校のときのように「男性看護師」として焦点を当てられることも少なくなります。マイノリティー故に天然記念物のごとく大切にされていた世界から、「真のマイノリティー」の世界に突入するというわけです。
(次回配信は6月17日15:00を予定しています)
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