介護保険制度の見直しを検討する社会保障審議会介護保険部会の報告書「介護保険制度の見直しに関する意見」が公表された。厚生労働省は、これを基に介護保険法改正案をまとめ、来年の通常国会に提出する方針だ。「意見」のポイントや制度改正が介護事業にもたらす影響と対応策について、小濱道博氏(日本介護経営研究会専務理事)と永田昌寿氏(いちよし経済研究所主任研究員)、糠谷和弘氏(スターコンサルティンググループ代表取締役)に解説してもらった。【ただ正芳】
「介護保険制度の見直しに関する意見」の中でも、介護事業者にとって特に重要なポイントと言えるのは、
▽要支援の「通所介護」と「訪問介護」を自治体事業へ移行
▽小規模の通所介護事業所を地域密着型サービスに移行
▽特別養護老人ホーム(特養)の入所者を、要介護3以上に原則限定
▽サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住所地特例を適用
▽一定所得以上の高齢者の自己負担を2割とする
―の5項目だ。
まず、それぞれの概要について説明する。
※次ページ以降では、取りまとめのポイント解説と、取りまとめを受けた制度改正が介護の事業運営にもたらす影響について紹介します。
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