【西村伊知恵(長崎県看護協会地域医療再生事業推進委員会)】
ITを活用して地域医療の再生につなげようと、長崎県看護協会では看護職員の教育にe-ラーニングの導入を進めています。地域医療におけるITへの期待、また、IT化を推し進めようと思った場合、どこからどのように着手していく計画なのか。将来の展望も踏まえて、紹介します。
長崎県看護協会は、会員数約9500人の専門職能団体で、県南、県央、県北、離島(壱岐、対馬、下五島、上五島)の7支部から成ります。今年4月に公益法人として認可され、会員の継続教育など看護の質の向上を図り、看護職個々の成長と能力発揮により、県民の健康生活を支援するという目的達成を目指しているところです。
■看護職のキャリア開発支援に抱える悩み
長崎県看護協会は、これまで看護職の資質の維持・向上のため、さまざまな研修を企画・開催し、看護職個々のキャリア開発支援を行ってきました。しかし、次のような課題も明らかとなっており、何らかの対策が求められていました。 1.地理的な問題もあって、研修利用率に地域差があること
2.キャリア形成・開発が個人としての成長にとどまっている傾向で、施設(組織)の成長につながりづらいこと
3.中小規模の医療機関が多いため、指導者等の人材確保が難しく、個々の機関でのキャリア開発支援に限界があること
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