【社会福祉法人恩賜財団済生会支部福井県済生会病院事務副部長・経営企画課課長
齋藤哲哉】
2003年ごろにかけて、患者数の増加に伴い、職員(派遣職員を含む)も増加し、職員同士のコミュニケーションが取りにくい状況となったことが、BSC(バランスト・スコアカード)導入のきっかけとなった。
コミュニケーション不足は、組織にさまざまな弊害をもたらした。例えば、セクショナリズムによって患者さんをたらい回しにするケースや、保険証確認の目的を知らない職員の対応による返戻(レセプトの差し戻し)件数の増加、質の高いプロセスを共有していない職員サービスによる患者クレームなどである。いずれのケースも、対話によるコミュニケーションと情報共有が組織的に形成されていれば、職員の行動意識に働き掛けられて、問題は発生しなかった。患者満足を向上させるためには、すべての職員が戦略に向かい行動し、相乗効果を発揮する組織環境が必要であり、それが組織全体を活性化させる。このためのツールとしてBSCを導入した。
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