
2012年度の診療報酬改定について、「最大の成果は医療費の適正化に向けた第一歩が踏み出せたこと」と話す白川委員
2012年度の診療報酬改定では、「7対1」入院基本料の算定要件や亜急性期入院医療管理料の評価体系などが見直された。中央社会保険医療協議会(中医協)で支払側委員を務める健康保険組合連合会の白川修二専務理事は今回の改定について、「最大の成果は医療費の適正化に向けた第一歩が踏み出せたこと」と語る。一方で、「13対1」、「15対1」入院基本料で90日超の長期入院の評価体系が見直されたことを引き合いに出し、「7対1」や「10対1」でも切り込む余地はあると指摘している。(津川一馬)
経済情勢や賃金・物価の下落傾向、保険者の財政状況、医療機関の経営状況を考えれば、診療報酬を引き上げることは国民の納得が得られない、というのが、支払側の主張でした。こうした環境の中、0.004%とはいえ、政府がプラス改定にこだわったことは、誠に遺憾と思っています。
一方で、前回10年度改定では、政府が入院と外来の配分を示しましたが、今回はそうした手法を取りませんでした。配分を決めるのは中医協の役割であり、政府が財源配分まで指定してくるのは、中医協の使命を侵害する行為だと考えていたので、配分を示さなかったことは評価できます。
―12年度改定について評価できる点を挙げてください。
一番大きな成果は、医療費の適正化に向けた第一歩が踏み出せたことです。
例えば、「7対1」入院基本料の算定要件の厳格化です。医療費は、受けた医療サービスに対応した報酬であることが原則です。しかし、現実的には、例えば入院基本料では「7対1」の看護配置が全体の一般病床の5割程度になっており、受けるべき医療サービスに対して過剰な看護配置となっています。病床区分を本来あるべき形に是正しなければいけない、というのが、支払側の問題意識でした。
また、亜急性期入院医療管理料の評価体系を見直したことや、慢性期の90日超の入院基本料を包括化したことなどにより、一定の適正化を図ることができました。
このほか、金曜入院と月曜退院、正午までの退院患者が多い場合は入院基本料を8%減算される措置も評価しています。金曜日に入院させて、土日は何も診療しないで入院料を徴収し、月曜になったら診療するというのは、おかしいですよね。土日は帰宅する入院患者が多く、ベッドの稼働率が下がるため、金曜入院、月曜退院をやっているのだと思いますが、これをけん制する意味でも、非常にいい着眼点だったと思います。
(残り2301字 / 全3370字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】