2024年度の診療報酬改定では、通院・在宅精神療法の報酬を見直し、60分以上実施した場合を引き上げる一方、30分未満では引き下げてめりはりを付けた。さらに「早期診療体制充実加算」を新設し、初診で30分か60分以上の通院・在宅精神療法を一定以上の割合で実施する医療機関を評価した。精神疾患を早期発見できる診療体制の整備を促すだけでなく、初診の予約を取れず受診までに2-3カ月待つような「初診待機」の解消を図る狙いだが、精神科医療の現場からは、加算の施設基準が厳し過ぎるという声が目立つ。国立精神・神経医療研究センター(NCNP)地域精神保健・法制度研究部の藤井千代部長(写真)は、再診患者へのしわ寄せも懸念する。【渕本稔】
【国立精神・神経医療研究センター地域精神保健・法制度研究部長・藤井千代氏】
早期診療体制充実加算を算定するには、過去6カ月間に行った通院・在宅精神療法のうち「30分か60分以上の精神療法」の割合を5%以上にする必要がある。診療所では、
(残り1321字 / 全1749字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】