■全国水準上回る実施率、院内にもばらつき
関東中央病院(東京都世田谷区)では、毎週金曜の午後3時、2階の会議室に「認知症ケア委員会」のメンバーが集まる。
「ケアのやり方を変えたら落ち着くかも」
委員会のメンバーは、神経内科と精神科の医師や看護師、薬剤師、臨床心理士、管理栄養士、理学療法士、社会福祉士、医事課職員ら合わせて10人。
認知症がある患者のせん妄の状態などを確認し、退院後も視野に入れて入院中の対応方針を決める。身体拘束を実施していたら、それに代わる方法で対応できないかを多職種で話し合う。
委員会の要の一人が認知症看護認定看護師の石井友紀さんだ。メンバーが集まる前日の毎週木曜に、石井さんは神経内科の医師や臨床心理士と一緒に病棟や病室を全て回り、せん妄がある患者を拾い上げる。
せん妄が起きやすい入院2、3日目には特に警戒し、早期介入する。
不要な身体拘束の解消はここ数年、関東中央病院にとって優先課題の一つになっている。全国にある同じ規模の急性期病院に比べ、身体拘束の実施率が高いことが分かったためだ。
看護部が行った分析では、
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