一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の見直しは、急性期病院の運営にどれだけの影響を及ぼすのか。渡辺優氏(メディチュア代表取締役)のインタビュー。全3回の2回目では、看護必要度の見直しへの対策を語る。【聞き手/兼松昭夫】
2024年度の診療報酬改定では、看護必要度のうち、「モニタリング・処置等」のA項目と「手術等の医学的状況」のC項目が見直される。
A項目では、「救急搬送後の入院」の評価期間を従来の5日から、一気に2日に短縮することになり、医療関係者の注目を集めた。
それへの病院の反応は2つに分かれる。手術やがんの症例を十分確保し、医療従事者も豊富な大都市周辺の基幹病院の関係者は「基準をクリアできなくなる要因は何もない」と話し、特定集中治療室の運用や医療従事者のベースアップの方に関心を寄せている。
一方、これまで地域医療に密着してきた急性期の中小病院には、従来の入院料の基準を維持するのが困難なケースがかなりある。
急性期一般入院料のうち入院料1を届け出るには、看護必要度の測定で
▽A項目3点以上か、C項目1点以上に該当する患者の受け入れ割合を20%以上
▽A項目2点以上か、C項目1点以上を27%以上
-の双方の基準をクリアする必要がある。
複数の病院のデータを使って2月下旬に行ったシミュレーションでは、「A項目3点以上か、C項目1点以上」に該当する患者の割合は、入院2日目にピークを迎えた。3日目以降は
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