福祉医療機構は、従来型の特別養護老人ホーム1,856施設の半数近くが2022年度決算で赤字だったとするリサーチレポートをまとめた。1施設当たりの利用率が「特養入所」「短期入所」の双方で下がる一方、収入に占める水道光熱費の割合は上昇し、本業の利益率に当たる「サービス活動増減差額比率」が低下した。【兼松昭夫】
特養の経営では近年、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなどとの競合も激化しているといい、福祉医療機構では、他施設との差別化を進めて利用率や利用者単価の上昇につなげられるかがこれからのカギになるとしている。
リサーチレポートでは、融資先の従来型特養1,856施設から報告があった22年度決算のデータを使い、経営状況を分析した。
その結果、1施設当たりの入所待機登録者数は21年度(1,756施設)から16.5人減少し、16年度以降で最低の111.1人だった。「特養入所」の定員に対する利用率は92.7%で、0.9ポイントのダウン。「短期入所」の利用率(77.8%)も1.9ポイント低下した。
一方、1年間の延べ利用者1人当たりの収入に当たる「利用者単価」は1万2,787円(381円増)、スタッフ1人当たりの収入は685.2万円(7.3万円増)と共に増えていた。
これに対し、
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