【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■増加の続く入退院支援加算の算定件数と算定点数
近年、患者の高齢化、病床の高回転化などにより、ベッドコントロールも含めた入退院調整の難易度が上がっている。新型コロナウイルス感染症の環境下においては、専用病棟の配置や、多床室の個室利用などの対応で、一層、ベッドコントロールが難しくなった。このような状況において、入退院調整をスムーズにする連携部門などによる介入は非常に大きな価値がある。実際、入退院調整を評価する入退院支援加算の算定件数は、年々増加している=グラフ1=。多くの病院がこの取り組みの重要性を認識し、介入・算定につなげていると考えてよいだろう。
入退院支援加算の算定件数の増加に伴い、算定点数も年々増加している=グラフ2=。介入の負担に比べ、加算点数自体は低い。ただし、介入しないことで生じるベッドが空かないことによる病院の機会損失の回避や、患者・患者家族に入院早期(予定入院であれば入院前)から退院調整の理解を促すことによる不安軽減・満足度の向上など、メリットが極めて大きい。加算の有無にかかわらず、入退院支援は必須であり、それを診療報酬が後押ししていると考えるべきである。
さらに、グラフ3では、一般病棟と療養病棟、それぞれの算定点数の推移を見た。一般病棟の方は年々急速に増え続けている。療養病棟の方はやや伸びは緩やかで、20年度は前年度に比べ若干減少となった。おそらくコロナの影響と思われる。
■対照的に伸び悩む地域連携診療計画加算
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次回配信は10月26日5:00を予定しています
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