2022年度診療報酬改定では、地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料を大幅に見直す。地域包括ケア病棟入院料1と2(入院医療管理料1と2)では、病院(許可病床100床以上)が入退院支援加算1を届け出ていない場合、それらの点数を1割減らすなど「減算」の規定を増やす。また、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)を療養病床で算定する場合は5%減を原則とすることになった。【川畑悟史、兼松昭夫】
■一般病床向けに「救急実施」の基準
地域包括ケア病棟入院料の役割として、国は、▽急性期の治療が一段落した患者や在宅療養中に容体が急変した患者の受け入れ▽在宅復帰支援-を想定している。2022年度の診療報酬改定ではそれらを後押しする。
その一環で、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)を算定する病棟や病室のベースの部分の役割に、「救急の実施」を設定。医療法上の「一般病床」で算定する場合、都道府県の医療計画で二次救急医療機関とされているか、「救急病院等を定める省令」に基づき救急病院として認定されていることを要件に加える。
ただ、許可病床200床未満の病院は、救急外来を整備するか救急患者を24時間受け入れていたら基準クリアと見なす。1年間の経過措置を経て23年4月から適用する。
一方、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)を医療法の「療養病床」で算定する場合は10月以降、点数を原則5%減らすことになった。
その上で、▽自宅などからの入院が全体の「60%以上」▽緊急入院の受け入れ実績が「3カ月間で30人以上」▽救急医療に必要な体制を病院が整備-のうち、いずれかをクリアした病棟や病室には満額の算定を認める。
中央社会保険医療協議会がまとめた22年度の個別改定項目では、これらの対応について、一般病床と療養病床に入院する患者の「特性の違い」を踏まえたものだとしている。
中医協の「入院医療等の調査・評価分科会」(入院分科会)が20年度に行った調査では、医師の診察が「常時-毎日必要」な地域包括ケア病棟や病室の患者は一般病床の1,797人のほぼ4割を占めたが、療養病床(255人)では2割ほどだった。また、地域包括ケア病棟入院料や入院医療管理料を一般病床で算定している247病院のほぼ9割が救急医療を実施していたが、療養病床(12病院)では25.0%しか行っていなかった。
■地ケア入院料2と4に実績要件、未達なら1割減
「在宅復帰率」の要件も見直す。
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