新型コロナウイルス禍、感染を防ぐ上で、“非接触”や“非対面”というキーワードが病院運営でも注目されている。その代表例がロボットの活用だ。病院内でも案内や移動など、それまで人がやっていた業務をロボットに行わせようとする取り組みが動き出した。人口減少や超高齢社会で人手不足が懸念される病院にとってもロボットは重要な存在になる。そこで、現在行われている神奈川県の「令和3年度新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業」の実証実験を通じて、人手という視点から病院でのロボット活用の可能性を探った。【川畑悟史】
同事業による実証実験は鎌倉市にある湘南鎌倉総合病院で行われている。NTTデータ経営研究所が課題解決事業者として、「案内」「搬送、移動支援」「清掃」をターゲットに絞ったプロジェクトに参加する企業を募集。それぞれのターゲットに応じたロボットが病院内を動き回る姿は、未来の病院をイメージさせる。
特集では、病棟と病棟以外の施設内でのロボットの可能性を前編・後編に分けて伝える。
前編では「病棟」でのロボット活用の取り組みを追った。
■腰痛から解放されるストレッチャー移動
片手で楽にストレッチャーが移動できたら-。医療現場で働く看護師や看護助手にとっての共通の願いだろう。そんな願いが、搬送アシストロボットの活用で、現実的になるかもしれない。
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