東京都や埼玉県内で在宅医療を行う医療法人社団鉄祐会の武藤真祐理事長は13日、日本医療経営学会の学術集会で講演し、日本の医療分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)が諸外国から大幅に遅れることへの危機感を示した。医療ビッグデータの活用の検討が欧米で始まっているのに対し、日本では、電話やオンラインによる初診の是非など初歩的な段階の議論にとどまっているため。【兼松昭夫】
イラスト提供=PIXTA
武藤氏は、電子カルテやレセプトデータ、患者の生活環境の情報などを組み合わせた膨大なデータを医薬品の開発や医療の質改善に役立てる「リアルワードエビデンス」の取り組みが、欧米で進みつつあることを紹介した。
しかし日本ではそうした試みが始まっておらず、「(諸外国と)圧倒的に差が出てしまう可能性がある」と危機感を示した。
講演は「生き残り戦略の鍵『ICT活用の可能性』」がテーマ。武藤氏のほか、介護分野でのDXに取り組む社会福祉法人善光会の宮本隆史・最高執行責任者と、東京・足立区の等潤病院を運営する社会医療法人社団慈生会の伊藤雅史理事長も登壇した。
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