米国研究製薬工業協会(PhRMA)のジョバンニ・カフォリオ会長(米ブリストルマイヤーズスクイブCEO兼会長)は9日、オンライン記者会見を行い、日本の社会保障制度改革で財源を薬価改定に大きく依存しているのは持続不可能だとした。さらに、最近のバイオ医薬品開発投資は世界で19%増加しているのに対し、日本は4%のマイナスと指摘し、日本の状況に懸念を表明。イノベーションを促進する政策が不可欠だとして、毎年改定では対象を非革新的医薬品に限定することなどを求めた。【ライター 設楽幸雄】
日本の社会保障制度改革で、その財源を薬価改定に大きく依存しているとの指摘は、政府資料に基づくもの。
政府は、毎年度の予算編成に当たり、社会保障予算の自然増について人口の高齢化の範囲にとどめることとし、削減額を2016年度1,700億円、17年度1,400億円、18年度1,300億円、19年度1,200億円、20年度1,200億円、合計6,800億円とした。
これに対し薬価関連の削減額は、16年度1,749億円、17年度196億円、18年度1,766億円、19年度290億円、20年度1,095億円で、合計5,096億円。
PhRMAは、社会保障予算全体の削減額6,800億円に対し、薬価関連で賄った5,096億円は75%に当たることを挙げ、「薬価改定財源のみに依存するのは持続不可能」と指摘した。
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