新政権の発足により、情報技術の活用による生産性の向上があらゆるサービスにおいて加速すると期待されている。介護分野も例外ではなく、新型コロナウイルスの影響下の特例として認められている、サービス担当者会議のリモートでの実施などは、関係者から恒久化を求める声が上がっている。こうした動きに応じて居宅介護支援事業所においてもICTの整備やケアマネジャーのITリテラシー向上に取り掛かる必要がありそうだ。すでに政府方針に推進が明記されているAIの活用を中心に、日本介護支援専門員協会の柴口里則会長に受け止めを聞いた。【吉木ちひろ】
-新型コロナウイルスの流行を契機として、国は経済活動全般におけるニューノーマルへの移行を求めています。その文脈から、介護分野に関しては骨太方針2020には「ケアプランへのAI活用の推進」が記載されました。これをどのように受け止めていますか。
「この文言によって、誤解が広がらないでほしいと思うのは、AIは、ケアマネジメントを実現するための一つの手段だということです。言い換えれば、『AIケアプラン』が社会実装されるのではなく『AIを使ったケアマネジメント』が可能になるということです。ツールを使うことによって自分たちの提供するサービスの質を向上させたり、手間を減らせたりということに価値があると考えています。
医療の現場では、既にAIが入り、画像診断やカルテの解析などができるようになってきていますから、ケアマネジメントに導入されること自体は特別なことだとは受け止めていません」
「重要なのは、私たちがケアマネジメントの中にAIをどう活用し、組み込んでいくかだということをこれまでも訴えてきました。相互理解を深めるために、開発の現場にもしっかり入り込んで意見を伝えるようにしてきました」
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