社会保障審議会・介護給付費分科会の、2021年度介護報酬改定に向けた3月のキックオフでは、分科会がまとめた「18年度介護報酬改定に関する審議報告」(17年12月)における今後の課題や、「介護保険制度の見直しに関する意見」(19年12月社保審・介護保険部会)、「認知症施策推進大綱」(19年6月閣議決定)などを踏まえて、サービス種類ごとの論点を議論する方針が示された。「21年度介護報酬改定に向けた議論を整理」第2回は、第1ラウンドで議論された個別サービスを振り返る。【齋藤栄子】
個別サービスでは、計4回の意見交換が行われた。以下にそのテーマを列挙する。7月8日開催:定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護▽7月20日開催:通所介護、認知症対応型通所介護、療養通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、福祉用具・住宅改修▽8月19日開催:訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、居宅介護支援▽8月27日開催:介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設。
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、設置促進と安定的な経営を行うため報酬の要件見直しを求める声が上がった。通所・泊まり・訪問を行う小規模多機能型居宅介護(小多機)に、訪問看護の機能を加えた複合型サービスとして12年に創設され、退院直後の在宅生活への移行支援や看取り期の支援などに24時間対応している。医療ニーズを持つ中重度の要介護者の生活を支えるサービスとして設置が進められていて、医療ニーズのある在宅療養者を緊急ショートステイで受け入れることも可能だが、報酬は小多機とほぼ同額のため、評価の引き上げを要望する声が上がった。
都市部を中心に事業所数は増加しているが、看護・介護職員の新規確保の難しさや、安定的な経営とサービス提供が課題などの論点が示された。
「看多機設置促進に向け評価の引き上げなど要望」
「夜間対応型介護、定期巡回・随時対応型への移行で意見」
通所介護サービスでは、
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